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生徒礼拝

生徒礼拝の話吉村 菜都子 2011年10月4日

おはようございます。HR310、生徒会副会長の吉村菜都子です。
文化祭から早二週間がたちましたね。クラスメート、文化祭実行委員や、高等部生全員が長い時間をかけて作りあげた二日間はにぎやかで笑顔にあふれ、充実していた分あっという間でした。このメンバーで文化祭をすることはもうないのだ、と思うと寂しくなります。

ところで皆さんは今年度の文化祭で、青山学院が、被災地の学校である岩手県立宮古高校と交流したことをご存じでしょうか?
17日の文化祭一日目、宮古高校の生徒会執行部の生徒9名をお招きしたのです。

六月頃初めて、被災地の高校生が文化祭にいらっしゃると聞いた時は、正直言って戸惑いました。まず私たちが想像できないような経験をした人々に対して、どのように接したらよいのか見当がつきませんでした。また多くのものを失ってしまった彼らが、華やかな文化祭に来て悲しくはならないか、わざわざ来てくれた彼らが得ることはあるのか。前例がないこともあって、しばらく悩み続けました。

しかし私たちがナーバスになっていては、一緒にいても楽しいわけがありません。この交流がプラスになるか、マイナスになるかは私たち次第だと考えるようになり、深く考えずにお互いただの高校生として楽しもう、と決めました。

17日当日、私服でスーツケースを引っ張りながら宮古の生徒たちがやってきました。想像していたよりもはるかに明るく、しっかりとしていて、楽しそうでした。驚いたのと同時にほっとしたのを覚えています。

宮古高校の生徒さんたちは、文化祭の規模の大きさや一般の方の多さに驚いていました。青山学院はスピーチコンテストや招待試合、お祭り広場などにも力を入れているうえ、クラスや有志団体の規模も大きく、この規模をどう動かすのかと聞いていました。一方で宮古高校の文化祭には、商店街と連携したイベントがあるらしく、都心ではなかなか見られない地域のつながりを羨ましく思いました。

かなり気になっていたものの、地震のことは聞きづらく、なかなか話題にできませんでした。すると宮古高校から地震のことで聞きたいことは何でも聞くように言ってくれました。「話したくないことは答えないから遠慮はしないでほしい。」この発言をきっかけに、私たちは地震の話を聞くことができました。

地震が起きたのは卒業式前日で学校にいたそうです。ごろごろと防波堤の壊れる音が響きました。「にげろー!」という叫び声。海の方からは暗いしぶきが見え、恐ろしい体験をしました。夜11時になってやっとおにぎりが配られたそうです。とても寒く5、6人で一つの毛布を使い、眠れず、一日が四日間ぐらいに長く感じました。電車は止まり、線路道を歩いて、ようやく親と会うまでは不安でいっぱいだっと言っていました。

またある家では津波によりピアノが浮いて、家の中を破壊したそうです。家が半壊し、アパートに移り住んだ男の子もいましたし、店が崩壊してしまった家の女の子は、両親の疲れきった顔を見ていると暗い気持ちになったと言っていました。
とにかく辛かったのは、情報が入らなかったことと、電気が止まってしまったため暖を取れず寒かったこと。電気の復旧には最短でも2日かかりました。信号が止まったため交通事故も多発しました。
現在は瓦礫撤去が済んだもののまだ街灯がなく、帰り道はいまだに真っ暗でこわいそうです。

宮古高校の副会長、菊池彰子さんの一番印象に残った言葉があります。
「私たちはどんなつらいことがあっても前をむくしかないんです。」
それを聞いてはっとしました。ちょっと思い通りにいかなかった程度で落ち込み、不機嫌になる私は、彼女たちと同じくらい笑顔ですごせているのでしょうか。前だけをみること、明るい面を探して目を向けること。私たちが励まし力になるつもりが、学ぶことの方が多かった気もします。

私たち高校生ができるのは彼らを、3月11日の地震を忘れないことです。誰かが自分たちのことを思っていてくれると知るだけでも、それはきっと心の支えになります。電車のダイヤも今は地震前と変わらず、一見東京は戻ったようにみえるかもしれません。でも決して忘れてはいけません。

縁あって出会った宮古高校の生徒さんたちとは、少しの間しか一緒にいられなかったけど、彼らと私たちの間には、すでにつながりのような、「わ」があるように思います。先程イエスさまが私たちに言ってくださった地の塩・世の光という聖句を読んでいただきました。塩味とは人間味、つまりあたたかさや人を思う心です。世の光とは周りの人をてらしだす明るさ。この2つをもって来年からもお互いの文化祭を行き来するなどの交流をつづけていけたら、と思っています。今も岩手県で苦労をのりこえ笑って生活している高校生たちを想像してください。お祈りしましょう。