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2010年度入学式 部長告辞

2010年度入学式 部長告辞 西川良三
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。青山学院高等部部長の西川良三です。保護者の皆様、本日はお子様のご入学心よりお祝い申し上げます。
新入生の皆さんは、本日より、高等学校の3年間の課程に入られます。中学時代に学んだことの基礎の上に、さらに高度な学習を行い、ほとんどの方が大学あるいは短大に進学することを目指します。この青山学院高等部では学習面においてはそのためにふさわしい学力を身につけることが求められていますので、しっかり気持ちを引き締めて、毎日の学習に取り組んでください。しかし、同時に、この時期に一番大事なことは、机に向かって行う勉強だけでなく、この高等部の学校生活全体から様々なことを学ぶということです。たとえばここでの友達や先生方、あるいは先輩との出会いがあります。様々な学校行事やクラブ活動などもあります。それらからの経験を通じ皆さんは人間としてさらに大きく豊かにされて行きます。また、この時期に大事なことは、やがて自分が将来社会に出てどのようなことができるか、また何をするのが自分に一番あっているのか考え、自分なりの進むべき目標と夢をよりはっきりさせていくことであるといえましょう。
この青山学院高等部では欠かさずに毎日行われる礼拝があります。讃美歌を歌い、聖書を読み、先生方のお話を聞きます。その時間をとおして、自分自身やこの世の中のことを振り返り、自分はどう生きていくかを考えるときが与えられています。この世界は、日本の中、そして海外の至る所で、様々な問題を抱えています。将来若い人たちが世に出てその解決に向かって取り組み、より良い場所にできるように待っています。聖書を通じて語りかけてくる神様の言葉が、皆さんに何をよびかけてくるか考え、今の自分を振り返り、そこから将来の自分について考えてください。

皆さんは、今これから高校生活をどう過ごそうか、わくわくした気持で思い描いていることでしょう。この式の後で教室に行って新しい友達、新しい担任の先生とはじめて会います。どんな友人との出会いがあるのか、どんな先生が担任なのか、期待と不安の入り混じった気持ちのことと思います。私自身のことで恐縮ですが、自分が高校1年生の時に出会った何人かの友人とは、今なお親しくしています。また高校の時、ある先生との出会いで、自分が教師になろうという心ざしを与えられるとともにまたキリスト教信仰を持つきっかけとなりました。しかし、10代後半の青春時代は不安定な時期とも言われます。その時代に、様々な悩みや行き詰まり、困難にも直面しました。皆さんも良き出会いを経験され、そしてそれはもしかすると一生を左右するようなものかもしれません。しかしまた予想もしなかったようなトラブルに直面して途方にくれてしまうというようなこともそのうちあるかもしれません。しかし、そんなときであっても問題はやがて必ず解決が与えられるのだということを信じてください。どんなときにも希望をもって歩んでいってください。今の新鮮な気持を忘れずに、いつも前向きの気持ちを持つようにしてください。
この青山学院高等部には、様々な背景の人たちが集まっています。青山学院の幼稚園、初等部、中等部それぞれの段階で入学してきた人がいます。そして、高等部で新たに入学された人がいます。その中でも東京及びその近辺の様々な中学校からだけでなく、海外の日本人校や、現地校、インター校出身のかたが集まって、多様な人々の共同体を作っています。先生方も、ご出身は様々です。英語の先生方はアメリカ、イギリスのみならず、様々な国から来られた方がいらっしやいます。また海外からの短期及び長期の交換留学生が、人数は限られていますが、やってきて、学校生活を共に過ごすこともあります。そのように、自分とは違った環境で育ち、考えも多少違った人たちと共に過ごすというのは、最初はとても興味深くおもわれますが、時間がたってくると、ある意味一緒に過ごすのに努力がいるようになってきます。また時には相手のことが良くわからない、ということもあるかもしれません。なぜこの人はこのような考え方をするのだろう、このようなことを言うのだろう、このような振る舞いをするのだろう、と首をひねるようなこともあるかもしれません。しかし、ちょっと我慢して、自分が相手だったらどうするだろうと相手の立場に自分をおいて物事を見ることができるよう努めてください。そうすることで自分の視野がひろめられ、自分の世界が広がることにもなります。そのようなことは、人を愛するという行為の一つであります。それは立場のまったく違った人、場合によっては敵対関係にある人に対しても向けられるべきものです。まさに人を広く愛することのできる人間になるために、皆さんはこれから様々なことを学んでいくわけです。

今日、宗教主任の坂上先生に読んでいただいた聖書の箇所「それゆえ、信仰、希望、愛、この3つはいつまでも残る。その中で最も大いなるものは愛である。」とあります。この学校で過ごすことを通し、神様は存在し、いつも私たちを愛して良い方向に導いてくださることが感じられるようになってもらいたいと思います。またどのようなときにも、絶えず希望を持って、たとえ大変なことがあってもそれが自分を強め、高めてくれるのだということを信じて毎日を過ごしてください。さらに、学ぶということの究極の目的は神と人とを愛するためであり、愛され、愛することで私たちは生かされているということを理解できれば幸いです。
この学校に集う人が共に祈り、共に学び、共にお互いを受け入れあって、喜びと感動を共有できるような学校生活を送り、どのような人に対しても愛を注ぐことのできる「地の塩、世の光」として、日本のため、世界のために、働くことのできる人間になれるよう成長していってもらいたいと思います。
本日はご入学おめでとうございました。





