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2011年度入学式 部長告辞

2011年度入学式 部長告辞 西川良三

最初に聖書の箇所を読ませていただきます。新約聖書ヨハネによる福音書15章、4,5節
「わたしにつながっていなさい。わたしもあなた方につながっている。ぶどうの枝が、木につながっていなければ、自分では実を結ぶことができない。私はぶどうの木、あなた方はその枝である。人がわたしにつながっており、わたしもその人につながっていれば、その人は豊かに実を結ぶ。わたしを離れては、あなたがたは何もできないからである。」

新入生のみなさん。ご入学、おめでとうございます。保護者の皆様、お子様のご入学、心よりお祝い申し上げます。

今、ここにおられる青山学院高等部第62期の新入生の皆さんは、いよいよ本日より高等学校での生活を開始されます。新しい学校の新しいクラスで、どんな出会いがあるかわくわくしていることでしょう。また来週には授業が始まりますが、そのことを不安に思っている人もいるかもしれません。確かに高校での勉強は中学校で学んだことの上に、さらに高度で、量的にもたくさんのことを学びますので、それらの内容を身に付けることは大変なことです。ですから、最初から授業及び家庭での学習をしっかりと行っていってください。しかしまた、授業だけでなく、同時に学校生活の中での様々な活動、たとえば学校行事への取り組み、HRでの活動、生徒会活動、そしてクラブ活動等もみなさんの成長にとって大変大事な場となりますので、積極的に取り組むことをお勧めします。

授業、その他の課外活動と同様に、むしろそれ以上に大事にしていただきたいのは、キリスト教主義のこの学校で行われる毎日の礼拝です。そこにおいて、先生や時には生徒から話される聖書の話を通して自分の生き方を振り返り、そして自分の人生の方向付けをするという意味で大変貴重な時です。また礼拝では讃美歌を歌いますが、中等部から上がってこられた諸君は大変大きな声で讃美歌を歌う学年と伺っていますし、また、出席させていただいた中等部の卒業式でもそのことがよくわかりました。今日、高等部から入られた皆さんも是非それにならって一緒に歌うようにしてください。

ここにおられる新入生の方々は、青山学院の幼稚園から、初等部から、中等部からそれぞれ入学されて内部進学してこられた方々と、そして高等部から入学されてきた、東京都内のみならず、近辺の県の中学校の出身の方、さらには海外の日本人校、現地校、インターナショナルスクールを経て入学してこられた方々等、様々な背景の人々がおられます。青山学院の一貫教育の中でよき成長をしてこられた方々に加え、各中学校で、リーダーとして、あるいは様々な形で活躍された方々、海外でいろいろな貴重な経験をされた方々、そして苦しい受験勉強に打ち勝って高等部の一般入試を突破された方々、それぞれがすばらしい持ち味をお持ちのことだと思いますから、それを生かしてお互いから学びつつ、活気あふれる共同体としての学校を築いていってください。

先ほどお読みした聖書には「私はぶどうの木、あなた方はその枝である。」という言葉がありました。これはイエス・キリストが共同体の中心であって、たとえると、ぶどうの木であり、そこから水と栄養を受け取る枝にそれぞれの人間をたとえています。青山学院は、キリスト教信仰を土台にした教育研究共同体です。その精神の中心にはイエス・キリストに対する信仰があります。イエスキリストは、2000年以上前に、特に、病気の人、打ちひしがれている人、悲しんでいる人、貧しい人、生活の重荷を様々に追っている人たちと共に過ごし、そのような人たちを慰め、元気と希望を与えられ、にもかかわらず裏切られて最後は十字架にかけられてなくなってしまいましたが、その後よみがえられたと信じられている方です。そのイエス様から、それに連なる一人一人が生きる力、すなわち愛を受けて、そして豊かな実をやがて結ぶことが出来るということを聖書では言っています。ぶどうの枝は、しっかり木につながっているとそこから水と栄養を受け、おいしいぶどうの実を実らすことが出来ます。我々も、よいつながりの中でこそ、元気や勇気や知恵が与えられ、感謝の気持ちを持ち、成長でき、そして実りを結んで人と神様に喜ばれる働きがこの世の中でできるのだと思います。

希望に胸を膨らませて今日皆さんは入学式を迎えておられますが、今、日本はこれまで経験したことのなかった大変な試練の時を迎えています。東北地方では、大震災とそれに引き続く津波で被災され、多くの方が亡くなり、そしていまだに避難所等で助けを必要としているおびただしい数の方々がいらっしゃいます。また、福島第1原子力発電所も、安全な状態に戻るまでまだかなりの時間がかかりそうな状況で、多くの人に不安を与えています。

このような時代を迎え、この青山学院で、それに連なる我々はどうしたらよいのでしょうか。それはまず、皆が良いつながりのある共同体の中で成長しつつ、共に助けを必要とされている人々のために祈り続け、聖書の中で語られているメッセージが自分たちに何せよと問いかけているのか考えていくことだと思います。その結果が良い実りをもたらすことが出来るのだと思います。皆さんは、この学校で勉強し、活動し、礼拝を守る中で多くのものを得て、一層人間として大きく育ちながら、高校生の時代に、このような難しい課題をかかえた時に自分は将来どのような役割を担い、どのように自分の持っている力を生かしていくことができるか是非考えていってください。

この青山学院高等部を卒業していった人たちは社会で様々な良い働きを行い、よい実りをこの世の中で結んでいます。それぞれの働きの場においてだけでなく、たとえば今回の震災に際しても、ホームページでご覧になった方もいるかとは思いますが、青山学院高等部同窓会の人たちが協力してすぐに動いて大事な働きをして下さいました。高等部の同窓生の人たちのつながりを通して被災地と直接連絡を取りながら、そこで必要とされる物資の情報を得て、寄付の呼びかけを行いました。その結果多数の自転車を含め、たくさんの献品が集まり、それを同窓生の方が提供してくださったトラック2台でやはり同窓生の方々が夜通し運転して岩手県の盛岡と宮古まで届けることを行なってくださいました。現地では大変喜ばれたそうです。震災のための支援を同窓会で行えないだろうかと最初に提案をしたのはこの3月に高等部を巣立った第59期の卒業生だったそうです。

在学中もみなさんができることがあるでしょうから、共に考えて実行していきたいと思っています。
どうか、青山学院高等部の生徒として誇りと希望を持って、自分達こそが大変な時代の中から立ちあがってこれからの未来を築いていくのだという気持ちで、これからの歩みをなしていってください。

本日はご入学おめでとうございました。