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留学生のスピーチ 「異文化の中で」 

ソル・フランチェスカ(フィリピン)

「異文化の中で」 

今年の4月にこのP.S講堂の2階の田中先生の隣に一人の女の子が座っていました。そして、その女の子の名前が呼ばれて立ち上がりました。皆が一斉にその子を見ました。私がその子です。
今日は、よく見渡すことが出来ます。改めて自己紹介いたします。ソル・フランチェスカ・コルテスです。フィリピンから来ました。もう18歳になっています。1月11日にはフィリピンに帰ります。これから私が体験した留学生活について話したいと思います。
そのままでは面白くないので水に例えて話します。水は特別な物質です。殆んど全てのものを溶かすことが出来るし、他の液体と違って凍ったときに膨張します。そして、地球上どこにでもあります。それは人間と同じです。次のように考えてみます。私は水道の蛇口から出てきた水で製氷皿に入れられ、冷蔵庫の中にしばらくの間置かれます。それは、留学の期間です。そして、その冷蔵庫は日本です。製氷皿が冷蔵庫に入れられると、そこは全然違う温度でした。まず、言葉が違います。ここには電車がたくさんあります。そしてラッシュの時間は立ったまま寝ることが出来るほど混んでいます。人々は水よりもお茶をたくさん飲みます。制服も違います。フィリピンではブラウスとスカートだけでしたがここでは、セーターやブレザー等もあります。自動販売機がたくさんあるし、タクシーのドアは自動であきます。ここではファッションがとても大事です。最後に、知らない人たちと一緒に入る温泉。初めて入ったときは、「あぁ! 信じられない」
冷凍庫の中に入ると水は氷になります。その時他の物質と違って水は膨張して成長します。日本では私が思ってもみなかったようないろいろなことを体験することが出来ました。
例えば、文化祭のときのお化け屋敷で人を怖がらせたり、自分のクラスのお化け屋敷で怖がったり、その後メイドのコスチュームを着てみたりしました。
バレーボール大会で点を取ったこと、部活では正しい立ち方というものを学びました。それから、浴衣を自分で着ました。帯は手伝ってもらいました。修学旅行でカステラ作りを体験しました。そして、最後には今日本語でスピーチをしています。その水は時々冷えすぎて、ひびが入ることがあります。でもしっかりとお皿の中に入っているので大丈夫です。みんなのサポートがあるから壊れません。こぼれそうにぴちゃぴちゃ不安定だった水は、凍って四角い私にぴったり落ち着きました。もうすぐその氷はお皿から取り出されます。国へ帰るときがきました。このお皿は空になって、また次の留学生を迎えます。たくさんの思い出と共に国へ帰ります。日本語は最初は難しかったけれど、たくさんの友達やホストファミリーや先生方と共に過ごすうちに、私にとって障害ではなくなりました。私たちは、話す言葉が違っても同じ人間だし、言葉がなくてもいろいろな方法で分かり合うことが出来ると感じました。
例えば、二つの島があって、その二つの島がつながっていなかったら、私たちは橋を作って、二つの島をつなごうとするでしょう? 橋を作ることが難しければ、ボートに乗って、なんとかとなりの島に行こうとするでしょう。コミュニケーションとはそういうものだと私は思います。HR209の皆さんや田中先生、授業が一緒だった皆さん、バドミントン部と茶道部の皆さん、International Cooking Festivalの皆さん、ありがとうございました。青学の全ての先生方本当にありがとうございました。一生懸命英語で話しかけてくれたり、「ソルちゃん」と声をかけてくれた他のクラスの皆さん、うれしかったです。
今私は10ヶ月前の自分とは違う自分に成長してフィリピンに帰ります。氷はお皿から取り出され、ジュースの中に入れて使われるときがきました。フィリピンのような暑い国で、氷は大活躍します。青山学院の皆さんのご健康をお祈りしています。ありがとうございました。

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