生徒自主学習団体
生徒自主学習団体BLUE PECOについて
青山学院高等部の生徒自主学習団体「BLUE PECO」は、2007年に結成されました。当時3年生が英語の授業で元国連難民高等弁務官の緒方貞子さんについて学び、その後の授業で世界の紛争地域の過酷さを知り、それをただ悲しむだけでなく、難民のために何かをしなければと思って有志団体を立ち上げたことがきっかけでした。
その後BLUE PECOはさまざまな学習に取り組み、数年後にはフェアトレード活動として文化祭でフェアトレードコーヒー豆の販売を始めました。メンバーでコーヒーのフェアトレードについて様々な自主勉強会を重ね、スーパーグローバルハイスクール(SGH)に認定された2016年度より念願のコーヒー産地である東ティモールに現地視察に行くことができました。
東ティモールは、長年のポルトガル統治時代、インドネシア統治時代を経て、1999年に独立した若い国です。独立の際には破壊と内戦という苦難を経験し、今では少しずつ暮らしを建てなおしていますが、まだまだ多くの課題を抱え、支援を必要としています。コーヒー生産地であるレテフォホ郡は、海抜1,300~1,500mの高地に位置する、自然に恵まれた美しい場所にあり、この地にたどりついた生徒たちはコーヒー農家さんたちに温かく迎え入れてもらいました。
レテフォホでは、コーヒーチェリーの収穫をはじめ、選別、果肉除去、乾燥、出荷など、様々なお仕事をお手伝いさせていただき、「最高においしいコーヒー」をつくるまでにどれだけの労力と情熱が必要かを学びました。一緒にコーヒーチェリーの選別をしながら、農家さんにインタビューした生徒は、答えて下さったバボさんの
「私たちにはコーヒーしかないから、もっといいコーヒーをつくりたいと思っている」
「私たちにはコーヒーしかないから、コーヒーの仕事をしているときが一番幸せだよ」
という言葉に心を打たれ、もっと農家さんの役立ちたいという思いを抱くようになりました。その後のミーティングでは、東ティモールのコーヒーがなぜ安く売買されてきたのかを検証し、今後の農村の自立のためには、生産者と消費者がもっと密接につながり、お互いの必要な知識やものを交換できるような関係をつくりたいと考えました。
また、学校で満足な教育が受けられていない子どもたちを見て、BLUE PECOは文化祭での展示やコーヒーなどの販売、報告会やコーヒーの試飲イベントなどを通じたファンドレイズを行い、テトゥン語のテキストをプレゼントしたり、カルタを使った識字教育の研究をしたり、生産者と消費者をつなぐためにコーヒーの苗を送ったりするなど、長期的に支援していく関係を模索しています。
*これらの取り組みに関して、独立行政法人国際協力機構(JICA)運営ウェブサイト“ROOKIES”にBLUE PECOの取材記事が掲載されました。
「青山学院高等部で、“世界に心を向ける若者”が育まれる理由」
http://partner.jica.go.jp/rookiesColumnView?param=aogaku_01