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「BLUE PECO と私」(PS生徒礼拝より)

生活/校内有志団体

「BLUE PECO と私」(PS生徒礼拝より)

57期 HR 309 行徳麻優

「さっきのお話きいた?! 一緒にブルーペコ継ごうよ。」 そう言い出してくれたのは水野さんでした。
ちょうど去年の今頃、礼拝で先輩のお話を聞き、次の代としてぜひ継いでみたい、とそう強く感じました。

3年前に私がまだアメリカから帰国して間もなかった頃、私は向こうで一体何を学んできたのだろう? と考えさせられました。
そして、その1つとして、人を助ける喜びを学んだことに改めて気付かされました。

向こうでは、日々の生活で「ボランティア」精神が当たり前のように存在していました。
例えば、クリスマス近くになると、恵まれない人々に届けるために1人必ず2個以上の缶詰を持ってきたり、利用しなくなった衣服、おもちゃなどを包装し、クリスマスプレゼントとして届けたり、老人ホームで、自分たちの特技を披露し歌ったり、ともに昼食をとったり、などと数え切れないほど行いました。誰1人として文句を言わず、普通に行っている彼らの文化が心より素晴らしいものだと感じました。

私が一番影響を受けたのは、中学3年生の時に現地校の社会科で行った「国連模擬会議」というものでした。
これは当時、実際世界中で問題になっている事柄を2人組になり、国をひとつ選び、それぞれの国の視点でものをとらえ、どのように解決するべきか、と討論するものでした。ちなみに私は中国を担当しました。
驚いたことに、この課題に対してみんなとても熱心で、授業が終わっても、移動中の廊下で討論を続けていて、圧倒されました。

この討論で取り上げられた題の1つに「スーダンの難民を他国が支援すべきか」というものがあり、私たちは彼らの暮らしの状態を詳しく調べました。
調べてゆくうちに私たちは彼らを実際に助けてあげたい、と強く願うようになりました。

しかし、かつて植民地化された悲惨な歴史から私たち外国の資金を受け取ってくれないのではないか? 迷惑なのではないかと迷う気持ちもありました。
しかし、何もしないよりは何か活動しよう! と決断し、募金活動を始め、最終的には6万ドルを集めスーダンに送りました。
この活動を行ったあと、私たちの活動できっと何人かの人々を救う事ができただろう・・・と思うといままでにない程、幸せな気分になりました。

その後、週に一度通っていた日本人学校でも募金活動を行い始め、中越沖地震やハリケーンカトリーナ、スマトラ沖地震の被災地の人々へ支援しました。
何よりも感動したのは、中越沖地震の被災地の方々からお礼に、とメッセージを縫い合わせたキルトが届いたことでした。
このとき、改めて自分たちのやっていることが誰かを実際に助けているのだ、と肌で感じました。

みなさんは「ボランティア」という言葉を、よく耳にするものの、一体具体的にどういうものなのか、と思ったことはありませんか?
私にもうまく答えられる自信はありませんが、少し説明したいと思います。

まず、ボランティアとはラテン語のVOLUNTAS に由来し、「自由な意思で決意する。」という意味をもっているそうです。
また、ボランティア活動には必ず「相手」が存在します。その「相手」とは人間でなくともよいのです。時には地域だったり、社会だったりします。
そしてその社会的に弱い立場または状況にいる人々を支援したり、問題解決をめざしたりします。

最近のボランティア活動では、「無償」のみを基本に行うものと、「有償」活動を混ぜて行う方法の2つがあります。ピースボートなどでは給与を受けて「ボランティア」活動を専門に行うプロがいます。
ボランティア活動が「無償」のみであるべきかどうかについては意見がわかれていますが、私は「無償」であるべきと信じています。

そして、けして間違ってはいけないことは「ボランティア」とは「義務」ではなく人それぞれの自発性によるものなので、それをどう行動に起こすのかは私たちの自由であり、それを無理に押し付けてはいけないということです。
では、何がボランティアなのかと定義するのは難しいことですが、ボランティアにおいて一番大切なのは、その人の「思いやり」や「願い」なのだとおもいます。今日の聖書の箇所にあるように、報いを求めて奉仕するのは間違っています。
これからも無償の愛の精神で活動し続けたいと思っています。

さて、先ほど冒頭ではなしたブルーペコについてですが、青学のBLUE と平和PEACE・環境 ECOを合わせ、56期生、「行動を起こす3年有志の会」として結成されました。
モットーは「行動を起こすに際し、先進国に住む私たちがこれ以上環境を悪化させないように、環境保護活動によって資金を生み出し、生活環境が十分整っていない発展途上国の人々を支援する。」というものです。

環境保護活動を身近な例で挙げると、日常生活で少しでもゴミを減らすように気をつけたり、なるべく車を使わずに歩いたりすることです。
主な活動としては今年の文化祭で初めてオリジナルタンブラー、エコバック、手作りシュシュなどを販売しました。売上は全てNPO組織のPEACE WINDS JAPAN を通してリベリア、スーダン、東ティモール、シエラレオネに支援され、公共施設や井戸などの建設費にあてられます。
今回の活動で、6万円もの資金が得られました。協力してくださった方、ありがとうございました。

また、9月の上旬に教員室横にペットボトルキャップ回収ボックスを設置しました。ペットボトルキャップは、800個で一人分のワクチンに変わります。設置した当日にその前を通りかかって、少しだけでしたが、キャップが入っていたのがとても嬉しかったです。
ひとりで集めるのは時間がかかりますが、より沢山の人が協力すれば早く集まります。去年結成されたばかりですが、今では3年生20人程が加わっています。

この活動を通して、沢山悩み、多くの事を考えさせられました。例えば、始めは何から始めたら良いのか分からず、ボランティアに少しでもつながる活動ってどのようなことなのか、何を販売すれば効率よく資金を集められるかとか、私たちの行っていることは本当に役に立っているのだろうかと不安になったりもしました。

皆さんの中に、こんな活動をするよりもっと他に目に見えてないことでするべきことがあるのではないのだろうかと思っている人もいるかもしれないし、文化祭でタンブラーを販売するのにあたって、やはり最終的にはごみになるので、本当に販売するべきなのだろうかと悩んだり、また文化祭後、高等部が排出した資材のゴミの山を目にし、どうにか再利用できないのだろうか、などと考えることもありました。
そしてなにより、PWJ に資金を渡すのにあたって、私たちがこのように定期的に資金を送っていては、彼らは私たち先進国に頼ってしまい、独り立ちができず、結局また振り出しに戻ってしまうのではないかとも考えました。
ただ「助けたい」という思いだけでは物事はうまく運ばないし、実行する難しさを知りました。
私は、この高等部でこのような経験ができてとても幸せだと思っています。

今日の話を聞いて、少しでも「ボランティア」や「人の役に立つ」、とういうことは一体どのようなことなのだろうか、と皆さんの意識のどこかに残れば嬉しいです。

もし、今日のお話を聞いて少しでも興味を持った人がいれば、ぜひ遠慮なくHR 302の水野かHR 309の私、行徳に声をかけてください。

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