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青学理科の深い学び - 科学技術と人の幸せ-

~遺伝子診断を事例に、科学技術の進歩によってもたらされた課題について考える~

遺伝子診断を事例に、科学技術の進歩によってもたらされた課題について考える

2019年5月27日 高校3年生 生物 選択授業
- 専門家(製薬会社の方、認定遺伝カウンセラー、大学教員、医師)による特別授業 -

提供
大日本住友製薬株式会社
日本遺伝カウンセリング学会
遺伝教育啓発委員会

遺伝子を調べることで、
何がわかるのだろう?

製薬会社の方より、最新の遺伝子検査関連情報をご講義して頂きました。
(一部抜粋)
・結核菌や肝炎ウイルスに感染しているかわかる。
・将来発症する病気がわかる。
・人によって薬の作用の違いがわかる。
・生活習慣病発症リスクの予測ができる。

遺伝子検査に関連して現実に起こった複数の事例も紹介していただきました。

身近な問題として考える

各自で、自分が患者さんの立場だったら遺伝子検査を受けるかどうかを考えた後、班に分かれて
<1>医療者として患者さんから、
または
<2>婚約者としてパートナーから、
相談された時、何と答えるかを考えました。 
専門家のサポートを受けながら、班で議論を深めていきました。

遺伝子検査を受けますか?
受けませんか?

各班で出た意見を発表しクラスで共有し、遺伝子診断のメリット・デメリットを知った上で、改めて自分だったら遺伝子検査を受けるかどうかを考えてもらいます。(本校教員が各班の意見を整理)

遺伝子検査を受けますか?
受けませんか?

正しい知識を持つことにより、自分の意見を整理していきます。

ものごとの本質について考える。

生命・倫理の課題に深く取り組みました。
最後に、薬の開発や医療の現場に携わる専門家の講師陣から、熱いメッセージを頂きました。

補助教材『遺伝を知ろう!』

生徒の感想

・遺伝子検査をすることで、未来が見えるようになるという科学の進歩も、倫理的な問題が同時に発生することがよく分かった。だから、検査を受けるか受けないかはよく考えて最善の選択を自分で行うことが大切だと思った。

・こういったことは、普段あまり考えることがないので、今回のディスカッションは有意義であった。今は、自分の持っている浅い知識だけで結論を出してたが、実際に判断するときには、遺伝子検査についてよく調べ、正確な知識を理解した上で熟考し、判断したい。

・遺伝子検査を受けるメリットの方が断然大きいと思っていたけれど、そんなことはなく、いろんな考え方があるのだなと思った。

・科学技術が発展し、自分の未来がどうなるのかまでわかるようになるのは、良い事でもあるが、逆に悩みを増やしてしまうことにもなるのだと思った。(中略)この授業を通して、自分が重大な選択をするときに何を基準にするかという事を少し考えることができた。

・講師の方の話を聞くまで、遺伝子診断を受ける理由は自分のことしか考えてなかったが、実際の現場では自分のことだけでなく、家族のことも考える必要があることに気づかされた。(遺伝子の共有性)

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