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卒業生からのメッセージ

ニャティティ奏者

アニャンゴ さん

プロフィール
向山恵理子 1999年卒。青山学院大学文学部教育学科卒業。アフリカの音楽に魅了され、単身ケニア奥地の村で修業を積み、ルオー民族の伝統弦楽器“ニャティティ”の世界初の女性奏者となる。日本ケニア文化親善大使。日本国内だけではなく、アフリカ、ヨーロッパなどでも広く演奏活動を行っている。

※インタビュー内容およびプロフィールは2020年取材時のものです。

皆さんそれぞれの“花”を、このキャンパスで咲かせて下さい!

ケニア共和国ルオー民族の伝統楽器「ニャティティ」をアニャンゴ(午前中に生まれた女の子の意)の名で演奏しています。ハープの原形とも云われるニャティティは、現地の選ばれた男性にしか演奏が許されない楽器。大学卒業後、初めて聴いたニャティティに魅了されてケニアに渡り、電気も水道もない奥地の村で 2ヶ月生活するうちに、師匠に認められ、教えてもらうことができました。

私の原形は高校時代にあったように思います。青山学院高等部は自由で開かれた校風で、国際色も豊か。私の2つ上の学年にはDragon Ash の降谷建志さんがいらっしゃり、ほかにもプロのお笑いを目指すグループ、歌舞伎をやっている先輩などがいました。私自身も当時すでに音楽を楽しんでおり、4 つ~ 5 つのバンドを主催して、お昼休みに中庭でゲリラライブなどをしていました。音楽のプロを目指したいと思ったのも高校時代。音楽修業のために海外へ飛び出そうと思えたのも、周りに帰国子女の生徒や、国連で働く夢を持った友人など、世界を舞台に考えている人が多かったからかもしれません。
先生方は生徒を一人の人間として認め、必要以上の深入りはせず、優しく生徒たちを見守ってくれました。個性を潰さず、「やりたい」という気持ちを否定しない懐の深さ。皆さんが主体的に動くならば、勉強でも芸術でも、先生方は後押しをしてくれるはずです。

日本ケニア文化親善大使として学校公演もしています。ソーラン節とニャティティを融合したニャティティソーランをつくり、札幌 YOSAKOI ソーラン祭りで踊ったこともあります。2009 年には『Newsweek Japan』で「世界が尊敬する日本人100人」に選んでいただきました。日本とアフリカの架け橋として、これからも文化を通じた国際交流を進めていければと思います。

さまざまな個性を認め、伸ばしてくれる青山学院高等部。この恵まれた環境で、長い人生の中で最も重要といえる3年間を過ごし、皆さんそれぞれの“花”を咲かせてください。

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