青山学院創立150周年記念 高等部特別講演会
2024年11月13日(水)午後、青山学院創立150周年を記念して高等部特別講演会が催されました。
特別に午後の授業をカットして開催された講演会。講師に株式会社ホテル三日月代表取締役社長 小髙芳宗氏をお招きしました。
小髙さんは、2020年1月誰もが拒んだ武漢からの帰国者の受け入れを決断した際の苦悩と葛藤について、その時のドキュメンタリー映像と共に、お語りくださいました。
周囲からの批判や風評被害の中、見事14日間の務めを果たされたホテル三日月は、徐々に周囲の信頼を得て、しまいには全国からの熱い声援を受けることになりました。
「誰もやらないなら私がやる」というメッセージは、私たち一人ひとりの心に深く感銘を与えました。
また、小高さんが普段大切にしている信条についても熱くお話しくださり、「成功の反対は失敗ではなく何もしないことだ」「夢や希望を持ってない若者は夢や希望を持っているお年寄りよりも老人である」「最低のシナリオを想定して最高のシナリオに一歩ずつ向かう」などの力強い言葉の数々は、生徒たちの心に深く刺さる、あっという間の2時間となりました。
講演会終了後、現在ベトナムで展開されている小髙さんのホテル事業が紹介された本が希望者に配布されるということで、3階エントランスホールに大勢の生徒が集まりました。
小髙さんはひとりひとりとお話をしたり、写真を撮ったりしてくださり、200冊の本は一瞬でなくなってしまいました。
すると、翌日にはさらに500冊が寄贈され、それもすべて希望の生徒がいただきました。
小髙さんの話にインパクトを受けたたくさんの生徒が、これからもサーバントリーダーとしての学びを続けていってくれることを望みます。
【高等部生から小髙さんへのメッセージ】
〇日本は世界一「100年企業が多い国」として知られ、伝統を継承しながらも変化に対応していくことが100年企業になるために大切なことだと学びました。また、何かをするのに「遅すぎる」などと年齢は関係なく、夢や希望をもって自分らしく輝くことが大切だと教えていただきました。私はまだ将来の夢は決まっていないので、「これだ!」という夢を見つけられるように高校生活を楽しみたいなと改めて思いました。
今回、ホテル三日月さんの帰国者受け入れのビデオを見て、善いサマリア人のたとえを実現させているなと感じました。「人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい」というのは実際簡単ではなく、それをやったホテル三日月の皆さんはきっと帰国者さんの心の支えになっていたと思います。「上手くいっていない時にも近くにいて寄り添ってくれる人を大切にする」という言葉がとても心に残り、自分もそのような人になれるように頑張りたいです。(1年)
〇誰もやりたがらないこと、それを自分がやらなければ!と思うものの、勇気が出ないことがよくあります。ほとんどの人が勇気が出ないことかと思います。周りとは明らかに違う、だから冷たい目で見られたり、バッシングを食らったりするかもしれません。小高さんは、勇気をくださいました。自分がやらなくて他に誰がやるんだと。今ではなくてもいつか、自分のしたことを分かってもらえればいいと。協力してくれる人は周りにいると。最大のリスクを考えて、最高のシチュエーションに近づけていけばいいと。私はこれから、他の人がやらないこと、人のためになること、たとえ批判をくらったとしても自分がやりますと積極的になって最後までやり通したいです。本当にありがとうございました。(2年)
〇政府のチャーター機第1便で武漢から日本に帰国した方々のニュースは、連日のように話題になっていたので記憶にありました。当時のことを振り返ってみると、報道局の情報は、ホテルや帰国者に対する非難→勝浦市に住む市民の方々のメッセージに対する賞賛→ホテルの対応や従業員の方々に対する賞賛と二転三転していて、それに対応するかのようにSNSのコメント内容や街の会話内容も二転三転していました。報道局は情報を売るお仕事なので、人々の興味に合わせて多少の情報操作をするのは仕方のないことだと思っています。しかしそれを見て正しい情報を取捨選択せずに、感情に任せて思ったことをSNSに書き込む大人たちは、無責任に感じてしまいました。それもあってか、今回の小高さんのお話やビデオは現場にいた方々の救いたい、立ち向かいたい、悲しい、辛いなど切実な想いや感情がひしひしと伝わって思わず涙がこぼれました。
また現場の状況は当時、浜辺に書かれたメッセージの話題にかき消されてあまり詳しく報道されていなかったので、今日の講演で知ることができたのは正しい情報を得るという面で良い学びになったと感じました。私にとって人を救うということはどういうことなのか、まだ、これだ!という当てはまる言葉は見つかっていなくて、無償で与える愛も救いだし、かといってお金がなければ物事は先に進まないし、と考えはまとまらず…もしよかったら小高さんにとって救うとはどういうことかお伺いしてみたいです。お忙しい中、青山学院高等部に通う私たちのために貴重なお時間を割いて講演をしていただきありがとうございました。(3年)