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2025年度 第76回入学式 報告、部長式辞

2025年4月7日 新1年400名が入学式を迎えました。
青山学院高等部の入学式は礼拝形式で厳粛に執り行われます。
今年度もPS講堂にご家族もお集まりいただいての式となりました。

部長式辞

主にあっていつも喜びなさい。もう一度言います。喜びなさい。あなたがたの寛容な心をすべての人に知らせなさい。主は近いのです。何事も思い煩ってはなりません。どんな場合にも、感謝を込めて祈りと願いを献げ、求めているものを神に打ち明けなさい。そうすれば、あらゆる人知を超えた神の平和が、あなたがたの心と考えとをキリスト・イエスにあって守るでしょう。

フィリピの信徒への手紙4章4~7節

76期新入生の皆さん、本日は入学おめでとうございます。そして青山学院高等部へようこそ。教職員一同、皆さんを心から歓迎いたします。保護者の皆様、またご家族の皆様、本日はお子様の高校ご入学おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。またご来賓の皆様、本日はお忙しい中、ご列席を賜り、誠にありがとうございます。

さあ、みなさんの高等部での生活がスタートしました。今皆さんはどのような思いの中にいるでしょうか。この学校には、どのような興味深い授業やプログラムがあるのか、何のクラブに入ろうか、留学生と話をしてみたい、きっといろいろな期待がある一方で、担任やクラスメイトはどんな人たちだろうか、勉強はついていけるのだろうか、いくつかの不安もあることと思います。どうぞあわてずに、少しずつ慣れていって、高等部の生活を謳歌してください。

さて、これから皆さんがこの高等部で過ごす3年間、つまり15歳から18歳の時期は、皆さんのその後の人生において、考え方や心の持ち方の礎となるような経験をする期間になります。新しい知識や考え方、まったく初めての経験や体験、そして様々な人たちとの出会いなどが皆さんを形作っていきます。時には「なるほど、そういうことだったのか」と理解が深まることによってだったり、あるいは「この人のようになりたい」「こんなことを経験してみたい」というような希望が生まれることによってだったり、「こういうことを大切に生きていこう」と決意をすることによってだったりします。皆さんはこうして、人格を形成していきます。これから皆さんが経験する一つ一つの積み重ねが皆さんを成長させ、また「どのように生きていくか」、「どのような人間になるか」という意味で、自分の土台を固めていく時期になる、ということです。様々な経験を通して、自分を磨きつつ、成長し、実り豊かな3年間にしていってほしいと願います。

それらをより確かなものにするために、今日は3つの点を心に留めてほしいと思います。

まずは、Be independent. 自立しよう、という意味です。中学生までは、ご両親や教員から言われてやることも多かったかもしれませんが、これからは自分で考えて選択したり、決断したりすることが増えてきます。毎日の生活において、どうぞ脳を活性化して、自分でしっかり考えるようにしてください。周りの人と同じで良い、親に言われたから、教員に言われたから、ではなく、普段から、今自分にとって何が大切か、あるいはやりたいこと、優先すべきは何かを、考えて行動するようにしてください。

学習に関してもそうです。主体的に思考力を鍛えましょう。中学校までは知識をインプットして、それを覚えてただテストでアウトプットする、で済んでいた部分もあったかもしれませんが、これからは、知識を得たら、それはどうしてなのか、どういうことに繋がっているのか、自分だったら何ができるのか、主体的に思考を働かせて、学びを深めてください。そうすることによって、知識や考え方が自分の中に深く吸収されていくことになります。それが知性豊かな人間性につながります。Be independent, 自立する。

二つ目は、Love your neighbor. です。隣人を愛せよ、という意味になります。具体的には、周りの人を尊重する、あるいは大切にする、という意味でもあり、お互いに尊敬をもって接しましょう、ということです。中学校までは、比較的同じようなバックグランドをもつ人と一緒の学校生活でした。しかし高等部では、出身校も、住んでいるところも様々です。長い間海外で過ごしてきた人もいます。また留学生もいます。考え方も習慣も違う人がいます。したがって、つとめて周りの人を尊重することはとても重要なことで、そのことによってひいては、自分自身が落ち着いて生活できることにつながり、やりたいこと、すべきことに集中ができていきます。つまり自分のためでもあるのです。

この学校の特徴として、「誰にでも居場所があるよね」と評してくれる卒業生が多くいますが、私もそうありたいと思っており、皆さんにもその伝統を継承してほしいと思います。どうぞ、お互いに「尊敬」の気持ちで接してください。それが豊かな人間関係を作るきっかけにもなります。Love your neighbor. です。

最後は、Rejoice always in the Lord. 主にあっていつも喜んでいなさい。式次第にある聖書個所の最初の部分ですね。

私は高等部生が様々な場面で喜んでいる姿を見るのが一つの生きがいです。喜びが満ち溢れる学校になってほしいと願っています。

でも、いつも喜んでいなさい、となると、簡単なことではありませんね。これから皆さんがここで過ごす3年間の中では、思い通りにならないことも経験していくことになります。その際、その事象だけに焦点を当てると、とても喜んでなどいられない、ということになります。しかし、自分の状況をもう少し俯瞰的にとらえていくときに、喜べることがあることに気づくことができます。家族がいること、毎日食事があること、普通に高校で勉強できること。これらはグローバルな視点で考えたら、当たり前のことではありません。また家族や仲間に愛されているとしたら、こんなに喜ばしいことはありません。

さらに心にとめていってほしいことがあります。それは、私たち一人ひとりが、イエス・キリストを十字架にかけて私たちの罪を赦してくださった愛の神様によって愛されているということです。この学校ではそのような神様の愛についても深く学んでいきます。

試練も皆さんを造り上げる経験です。そしてその背後には主なる神の導きがあるということを知って、それに信頼し、感謝をもって喜ぶ生き方を選んでいってほしいと思います。

そして、今日の聖書の後半部分にある、「何事も思い煩ってはなりません。どんな場合にも、感謝を込めて祈りと願いを献げ、求めているものを神に打ち明けなさい。そうすれば、あらゆる人知を超えた神の平和が、あなたがたの心と考えとをキリスト・イエスにあって守るでしょう。」

この御言葉の真理を、ぜひ皆さんと共に体験していきたいと思っています。

まとめます。Be independent, love your neighbor, and rejoice always in the Lord. ぜひこの3点を心にとめ、高等部生活をスタートしてほしいと思います。

皆さんひとり一人が、自立し、互いに尊敬し合い、喜びあふれる高等部生活を送っていくこと、そしてそんな皆さんの3年間の上に神様の豊かな祝福があるようお祈りし、式辞といたします。本日はおめでとうございます

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