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2023年度文化祭 報告

2023年度文化祭「euphøria」は、9月16日(土)・18日(祝)に無事に開催されました。
昨年度まではコロナ禍のため限定しての公開でしたが、今年度は四年振りに一般公開となりました。
ご来校いただき、ありがとうございました。

後夜祭も久々に全校生徒がPS講堂に集まって開催できました。

文化祭実行委員長より

銘々が作った多幸感

去年の文化祭が終わってから一年間毎日考え続けていたことが、ついに2023年の9月16日・18日で形になりました。私は1年生でHRのサブチーフを、2年生ではチーフを務め金賞を受賞しました。こんなにも楽しませてもらったのだから、次は自分が提供する側として恩返しをしたいという思いと、なにより大好きなイベントの「運営」という一面も経験したいという思いから3年生で実行委員長に立候補しました。

 今年の文化祭実行委員会の統括を行う実行委員長1人と副実行委員長3人から成る本部は、実行委員長である私にとってこの上なく最高のメンバーで構成されていました。冷静さ、抜群のセンス、人に寄り添うことをはじめとした私自身にはないものを持っているこの3人を心から尊敬しているし、濃密な時間を共に過ごし、一年をかけて友達になった本部のメンバーとは、これからも長い付き合いをしていきたいと心から思っています。

 先にも書いた通り、私の高校生活は文化祭が大きなウエイトを占めています。ここまで夢中になれたのは、高等部の文化祭には大人の手やプロの手を借りることを必要最小限に留め、「生徒がつくる文化祭」をモットーに掲げて行われるという魅力があるからです。
多くの生徒が様々な役割について責任を持ち、同一の目的に向かう文化祭は、社会に出た後のいわば疑似体験ができるという意味で、座学では得られない貴重な学びがあります。きっとそのような学びを得られることこそが、高等部の教育課程に文化祭が組み込まれている理由の一つであるのでしょう。

 今回、実行委員長として様々な場面に直面するなかで、私自身の考え方が大きく変化したことがあります。「どうすれば文化祭にもっと活気をもたらせられるか」と問われた際に、当初の自分であれば「新しい画期的な企画を考える」と答えるでしょう。しかし、4ヶ月近く練りあげ、最も実現したかった新企画が倒れるという出来事があり、その時はとても落ち込みましたが、その経験があったからこそ、改めて文化祭について一から考える機会を得ることができました。考えに考えられたものが現行の規定であり、今ある形態の背景には全てに理由があるということを学びました。
そこから、「今あるもののクオリティを最大限に高めよう」というような、既存のものをもう一度見直して工夫できる場面を探す方向にシフトチェンジしました。
そして、ちょうどその時期が文化祭全体のテーマを決めている最中であったため、文化祭の全体像を踏まえた上で最適なテーマとコンセプトを考えるきっかけとなり、結果としてもう一段ギアを上げて更なる高みを目指していくターニングポイントになったと捉えています。

 2023年度のテーマ「euphøria」は文化祭に参加する全ての人に高揚感・多幸感を感じてほしいというメッセージが込められています。高揚感や多幸感を感じる条件や場面は人それぞれですが、良い意味でふわっとしている概念であるこの言葉をテーマにしたことで、文化祭に関わる全ての人が準備期間から当日に至るまで様々なプロセスを乗り越えていく度に、それぞれの解釈を深め、最終的に一人一人が自分なりのテーマやコンセプトを確立することができたのではないでしょうか。

 表舞台に立つことも、統括も、縁の下の力持ちでいることも求められる文化祭実行委員会本部というポジションに、仲間と共に必死に食らいついた経験は何事にも代えがたい財産となりました。たくさんの困難や揉め事があったけれど、最後は互いを労い合って終えられたことがなによりの思い出です。
 最後に、毎日試行錯誤した文実のみんな、チーフ・サブチーフを始めとした何らかの形で関わってくれた生徒の皆さん、たくさん助言をしてくださった先生方や先輩方、支えてくれた家族や友達、そして気にかけてくださった中等部の先生に、この場を借りて心からの感謝を申し上げます。様々な立場の人がそれぞれの持ち場で最高のものをつくりあげたからこそ、2023年度の文化祭で感じたeuphøriaな記憶は永久に残り続けるものになったと確信しています∅

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