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2015年度入学式 部長告辞

2015年4月7日 入学式告辞 イザヤ書48:17-18

部長 西川良三

青山学院高等部第66回新入学生の皆さん。ご入学おめでとうございます。保護者の皆様、お子様のご入学、心よりお祝い申し上げます。

本日より、新入生の皆さんは青山学院高等部の生徒として、高校生活をはじめられます。学習においては高等学校の教育課程に基づき、中学校で学んだ基礎の上に、更に深く、また幅の広い学びを行います。また、日々の学校生活の中で中学校時代よりもより多くの様々な背景をもった人々との出会いがこれからあります。ここには中等部から進学してこられた方に加え、高等部から、一般入試、推薦入試、帰国生入試を経て高等部生となられた方々がおられます。是非お互いの良い点を認め合って、学び合うようにしてください。またいろいろな先生方との出会いの中から様々なことを吸収し、人間として一回り大きく成長されることを期待します。

高校時代は大人の世界の入り口にさしかかるときです。この時期に、自分が社会に出てどのような働きをしたらよいか、ある程度決めなくてはなりません。是非自分を見つめて、何が好きで得意なのかを見出し、自分が行くべき方向づけを行えるようにしてください。それにあたってはご家族の中での話が大事です。しかし、ひょっとすると、友達との話の中から、また先生からのお話をとおして、あるいは高校時代に自主的に取り組んだことの経験や読んだ本の中から、または礼拝のお話を聞いて示唆を与えられるものであるかもしれません。この時代に持った志が一生の方向付けをする場合もあります。私ごとで恐縮ですが、自分が高校の教員になりたいと思ったのは、高校生の時の1人の英語の先生との出会いがきっかけでした。

この時代、勉強を行うことはむろんですが、クラブ活動やクラスのさまざまな取り組み、学校行事や生徒会の活動等にも是非前向きに取り組むことをおすすめします。学校生活をバランスよく、オールラウンドに取り組めば、きっとそのことが将来大きな意味を持つということに気付くはずです。

高校の勉強についていけるか、と言う不安を持っている人もいるかもしれません。基本的には自分の努力次第ですから、最初から、しっかり家庭での学習を行い、授業を一生懸命聞きくことがすべてと言ってもよいです。そして、わからないところがあったらそのままにしないで、先生に聞いて下さい。加えて、どのように学習に取り組むか、と言ったことは、よく、まわりの友達のやり方を見て教えられること多くあります。そのことも心の中に覚えておいてください。

これから、教室に行って初めて顔を合わす担任の先生、またクラスメートがどのような人なのか、どきどきわくわくしていることかもしれません。慣れるまで最初は緊張していることでしょうが、時間が経てばやがて、人によって遅い早い、の差があるかもしれませんが、クラスの仲間と自然に仲良くできるようになるはずですから心配しないでください。

この青山学院の教育において中心に据えているのは毎日の礼拝です。高等部から入学された方にとっては、大半、初めての経験でしょうから、どうぞ中等部から進学されてきた方、戸惑っている人がいたら、どうしたらよいか教えてあげてください。礼拝は、試験中も行います。学校行事の際も行います。また修学旅行の時も行います。それだけ、青山学院ではこの礼拝を大事にしています。礼拝の中で語られる聖書のメッセージを通して私たちはそれぞれの自分たちを振り返り、どう生きるか考える機会が与えられます。

先ほど宗教主任の相良先生に読んでいただいた聖書の箇所は旧約聖書イザヤ書と言うところからの引用です。このイザヤ書は2300年前頃にはもう出来上がっていた書物と言われています。今日の聖書の箇所では「イスラエルの聖なる神」と書かれてありますが、キリスト教はもともとアジアの中近東のパレスチナ周辺で起こったユダヤ教から派生した宗教で、ユダヤ教はイスラエルの民族宗教でした。それがやがてキリスト教として民族を越えて世界の宗教となり、今は世界で一番信者が多くいます。なぜ世界的に広まることになったかと言うと、それは聖書の中のメッセージが民族、国、身分、性別等を越えて神様が人間一人一人に訴えかけるものをもっているからです。その中心は、一人ひとり、どのような人もかけがえのない存在として神様から愛されている、ということです。そして神様から大事にされたように、人間同士お互いに大事にし、愛し合いなさいということが伝えられています。「わたしはあなたを教えて力をもたせ、あなたを導いて道を行かせる。」と書かれてありますが、この青山学院の教えの根本にあるのは聖書です。難しいところもある書物で大変なページ数ですが、自分でも読んでいってください。聖書の言葉に耳を傾け、そしてその語られるところに従うならば、力を与えられ、そして正しい道を歩む、と述べられています。

キリスト教はご利益宗教ではありません。信じればすぐに何かが解決するというものではありません。しかし長い時間の中で自分の人生を振り返るとき、聖書で語られていることの真実、聖書が私たちに力を与えてくれるものであるということに気付くことでしょう。

礼拝で語られるメッセージを通じて自分の生き方をしっかりと見据えつつ、勉学に勤しみ、更にクラブ活動等で自分の技術や体力を高め、様々な活動の中で自主性を養い、いろいろな友、あるいは先生との出会いを通して豊かにされ、触発されて、この高校時代、大きく羽ばたいていただきたいと思います。皆さんがよき高校生活を送られますようお祈りいたします。

本日はご入学おめでとうございます。

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