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2020年度入学式 部長告辞

どんなことでも、思い煩うのはやめなさい。何事につけ、感謝を込めて祈りと願いをささげ、求めているものを神に打ち明けなさい。 そうすれば、あらゆる人知を超える神の平和が、あなたがたの心と考えとをキリスト・イエスによって守るでしょう。
フィリピの信徒への手紙 4章 6、7節

 部長  渡辺 健

71期新入生の皆さん、やっとこの日を迎えることができました。入学おめでとうございます。そして青山学院高等部へようこそ。教職員一同、皆さんを心から歓迎いたします。また、保護者の皆様、本日はお子様の高校ご入学おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。

さあ、いよいよみなさんの高等部での生活がスタートします。どうぞそれぞれが、今高等部でやりたい、学びたい、経験したいと考えていることを、どんどんやってほしいと思います。今の状況を考えると、最初のうちしばらくは制約もあると思いますが、3年間というスパンで考えれば、様々なことができるはずです。ひと時ひと時を大切に、高等部生活を謳歌してほしいと思います。

Ask, and you will receive. 求めなさい、そうすれば与えられます、と訳されることが多い言葉で、ことわざにもなっていますが、実はこれは聖書からの言葉です。そしてまだ続きがあります。Seek, and you will find. 探しなさい、そうすれば見つかります。さらにKnock, and the door will be opened to you. 門をたたきなさい。そうすれば開かれます。と、続きます。さらにこの続きもありますが、それは明日の始業式でお話しします。

今日ここで皆さんにお伝えしたいことは、自分から学ぶ、ということです。受け身ではなく、主体的に、自分から、求めて、探して、門をたたいてほしい、ということです。中学校までは、これをやってください、あれをやりなさい、などとある意味やらされての学びが多くあったかもしれません。しかしこれからは、自分の方から、これをやってみたい、これはどうなんだろう、と考えて、学びや活動に取り組む、ということをぜひ実践してほしいと思います。これから皆さんがこの高等部で過ごす3年間、皆さんのその後の人生において、考え方や心の持ち方の礎となるような経験をする期間になります。やらされるのと、自分からやるのでは、その理解度や吸収は大きく差が出ます。Ask, Seek, Knock、ぜひ、心に留めてください。

とは言うものの、今皆さんの心には、多少の不安があるかもしれません。これまでオンラインで多少つながったとはいえ、クラスメートはどんな人たちだろう、担任の先生は優しい人だろうか、この後の授業についていけるだろうか。またそれに加えて、新型コロナウィルスのせいで、また感染が拡大しないだろうか、この後学校は続くのだろうか、との不安もあることでしょう。一昨日には東京アラートが出てしまいました、もしかしたら、またすぐに休校にならないとも限りません。私も心配です。せっかく始まるのに、また休校になったらどうしよう、心配しだしたら、心配の種は尽きません。

神様の約束を聖書から見たいと思います。先ほどの聖書の箇所は、「どんなことでも思い煩うのはやめなさい」つまり「心配するな」と言います。そして「何事につけ、感謝を込めて祈りと願いを捧げ、求めているものを神に打ち明けなさい」と言います。皆さんは今、感謝ができることはありますか。先日のメディテーションタイムでも少し触れましたが、私たちは、自分に無いものに目が留まると、不満や不安が出てくるようですが、あるものに目を留める時に、感謝することができるようです。今日この場に来ることができて、オンラインではなく、リアルな世界の皆に会えることも感謝すべきことかもしれません。もっと広く考えれば、毎日、眠れる、家族がいる、食事がとれる、当たり前のことですが、今回学んでいるように、当たり前が当たり前でなくなることはすぐやってきます。

そして感謝をこめて、神様に祈りと願いを捧げます。これから祈りを学ぶ人も多いと思いますが、ぜひやってください。神様こうしてください、と言っていいんですね。新しい仲間を与えてください、素晴らしい学びを経験させてください、と。そうするとあらゆる人知を超える神の平和があなたの心と考えとを守ってくれる、と聖書は言うんですね。あらゆる人知を超える、とありますから、想像できないような平和が来る。心配に心が支配されるのではなく、神の平安が心と考えを守ってくれる、と言うんですね。この聖書の約束をぜひ経験してほしい。

Ask, Seek, Knockの気持ちで、様々なことにチャレンジし、不安な時には、感謝と祈りをもってこの3年間を過ごしてほしいと願っています。

この学校で働く教職員の願いは、皆さんが3年後、この学校に来てよかった、大きな財産を得た、と思って卒業していってくれることです。様々な経験を通して、自分を磨きつつ、成長しながら、実り豊かな3年間になることを切に祈っています。

皆さんの3年間の上に神様の豊かな祝福があるようお祈りし、告辞といたします。本日はおめでとうございます

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