中世日本の宗教美術における「オリジナル」と「コピー」をめぐって
教育/高大連携/学問入門講座
担当教員
文学部 比較芸術学科 津田 徹英 教授
担当科目
比較芸術学入門A・B、日本・東洋の文芸と美術B
専門分野
日本彫刻史(仏像・神像研究), 密教図像学, 絵巻詞書の筆跡研究, 南北朝絵巻研究, 日本仏教絵画史(垂迹画を含む), 日本宗教文化史
講義内容
美術作品の鑑賞の場にあって、ある作品の「コピー」が目の前に現れたとき、それに対する評価・認識としては、「フェイク」あるいは「贋作」というような見方がなされることが一般的である。しかし、それは近・現代以降の「オリジナル」至上主義に毒されてしまった一面的な見方に過ぎない。ことに宗教美術において古代あるいは中世の人々は、近・現代人と全く同様のまなざしを対象(モノ)に投げかけてはいなかったようある。その一端を日本の中世において信仰対象と成り得た二つの仏像を取り上げ、「オリジナル」と「コピー」に対する当時の人々の見方・考え方について、モノ(=作品)そのものをじっくり観察することで、モノの持つ「かたち」から浮かび上がらせてみたい。あわせて、美術作品についての鑑賞と、学問・研究対象としての美術作品の受止め方の違いについても考える機会をこの講義を通じ持ってみたいと思います。
人数制限
全体で50名まで
連絡先
E-mail : 非公開
担当教員から高等部生へのメッセージ
文学部 比較芸術学科 津田 徹英 教授
この講義では、教科書はもとより一般啓蒙書で全く触れられることのない、宗教美術の見方・考え方について、知る機会が持てればと考えます。あわせて、われわれが持つ「オリジナル」と「コピー」に対する受け止め方が、実は偏狭で一面的な捉え方に過ぎないことをこの講義 を通じ実感していただければければ幸いです。