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企業活動のグローバル化と税 ― GAFAはなぜ納税していないのか:その手口と問題点 ―

教育/高大連携/学問入門講座

担当教員

会計プロフェッション研究科  佐藤 正勝 教授

担当科目

研究指導Ⅰ~Ⅳ、演習Ⅰ~Ⅳ、租税法総論、会計倫理

専門分野

国際租税法, 租税法

講義内容

近年におけるデジタル経済の急激な進展により、先進国の企業による海外進出は、質の変化をともない、顕著に量的拡大を見せている。例えば、GAFA(Google, Apple, Facebook, Amazon)をはじめとする多国籍企業は、世界各国に進出し、各種の製品(パソコン、スマホ、スマートスピーカー、デジタルグッズ(音楽、書籍、ゲーム等)や、クラウドサービスのような各種サービスを提供して、莫大な収益を挙げている。一説によると、例えば、アマゾンは、日本で1兆円、世界では25兆円もの売上があると報道されている。問題は、これらの多国籍企業は、通常の企業が所得の30%前後の法人税を納めているが、これらの多国籍企業は、全世界税負担が、1%にも満たないとの報道がある点である。もし、アマゾンがそのようにほとんど納税していないなら、莫大な利益が、アマゾンの手元に残っているであろう。世界には、1日1ドルぐらいの収入しかない国民(その多くは子供である)が10億人もいるというのに。では、なぜ、そのようなことが生ずるのであろうか。その答えは、これらの多国籍企業が、有能な専門家に高い報酬を支払って、世界200か国の税制及び世界の3000本の租税の条約を、調べ上げ、その穴(ループホールといわれる)を突くからである。穴をつくことにより、かなりの程度、租税回避に近いことをやっているといわれる。この講義では、税の回避を目的とした、非常に複雑、怪奇で高度の多国籍企業のテクニック、手口を解明する(大学院レベルの内容ですが、なるべく分かりやすく、解説を試みます)。

人数制限

設けない

連絡先

E-mail : masakatsusato@cc.aoyama.ac.jp

担当教員から高等部生へのメッセージ

会計プロフェッション研究科  佐藤 正勝 教授

税は国家を支える基盤である。税が納められなくなると、国家が崩壊する。それほどに大切な税というものが、世界的に危機に面している。高校生の皆さんに、この機会に、世界でどのようなことが起こっているのかを認識していただき、自分が将来、この危機を救い、危機の回避に役立つような職業に就きたい(資格としては、税理士、公認会計士、弁護士、税の立法・執行にあたる公務員。会社や組織としては、会社の経理部、税理士法人、会計事務所、弁護士事務所などへの就職を考える)という意識を持ってもらうことに、少しでも役立てればと思う。

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