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2016年度 クリスマス礼拝報告

「クリスマスの決心」 吉岡 康子 先生

≪第1部≫
今年度のクリスマス礼拝は、第1部に青山学院女子短期大学宗教主任の吉岡康子先生をお招きし、「クリスマスの決心」と題してメッセージしていただきました。聖書箇所はルカによる福音書2章1~20節。主イエスの誕生が羊飼いに知らされる箇所です。

3年生の代表生徒による聖書朗読、聖歌隊による「荒野の果てに」の奉唱が行われた後、クリスマスに手に取ってほしいという絵本『ミシュカ』のお話からメッセ―ジが始まりました。

ぬいぐるみであることをやめて家出をした「ミシュカ」。ミシュカは、クリスマスに何かいいことをしようと、プレゼントを配る手伝いをします。しかし、最後の小さな家に住む貧しい病気の男の子のためのプレゼントは、もうありませんでした。自分に出来る一番いいことをしよう。ミシュカは決心し、ぬいぐるみとして、空っぽの靴の中に入ったのでした

このお話は、クリスマスは1番いいことのために自分を捧げる「献身」を決心する時であることを教えてくれます。クリスマスは「神の献身の出来事」です。

羊飼いは、当時の生活に必要な羊の世話という大切な仕事をしているのに、人々からは忘れられ、汚いと蔑まれていた存在でした。しかし神はその存在を忘れてはおらず、真っ先に羊飼いに救い主の誕生を知らせました。そして羊飼いたちは「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。」という天使の賛美を聞き、喜んで走り出しました。この「平和」の根拠こそ、神の献身です。どんなに傷ついた世界でも、人々からは忘れられるような存在でも、神はこの世界を、私たちを愛してくださっている。神が人となるほど、私たちに徹底的に仕えてくださっている。光があれば必ず闇がありますが、闇と絶望の中にあっても神の恵みの光は届くのです。

日本のシンドラーと呼ばれた杉原千畝は、ナチスによる迫害の時代に6,000人のユダヤ人のためにビザを発行しました。そのユダヤ人たちの世話をし、安全な国に送り出す働きをしたのはホーリネスの教会の人々でした。この愛の行動によって、教会の人々は弾圧され、拷問を受けたり獄死したりしました。教会には解散命令が出されました。しかし教会の人々の愛はユダヤ人の心に届き、教会も今では復活しています。苦難の中にあっても神は私たちを忘れてはいませんでした。

神は人間として生まれ、私たちのためにご自身を捧げてくださいました。この事実を受け止め、私たちも平和のため、決心して一歩踏み出す時がクリスマスなのです。

先生のメッセージが終わると、ハンドベル部による“The First Noel”の演奏とともに、各HRで捧げられたクリスマス献金が捧げられました。この献金はACEF、チャイルドファンドジャパン、ユニセフなどの活動のために用いられます。そして主イエスのご降誕の恵みを覚え、多くの人と恵みを分かち合う時となるよう、3年生の代表生徒が感謝をこめて祈りました。

≪第2部≫
第2部にはシンガーソングライターのMigiwaさんをお迎えし、賛美と証しによる祝会が行われました。両親がクリスチャンの家庭に生まれたMigiwaさんは、元々人前に出るのが苦手で、そのうち不登校になり、家にひきこもるようになってしまいました。そのような時、聖書の「あなたは高価で尊い」ということばに出会います。自分でも生きていていい、神さまの愛に応えたい。そう考えるようになり、現在では音楽を通して神さまの愛を伝える働きをしています。 祝会では次の8曲の賛美を捧げてくださいました。

「ジュピター」(ホルストの組曲『惑星』より)
イギリスでは愛国歌・讃美歌として歌われている曲です。

「グリーンスリーブス~荒野の果てに」(讃美歌より)
数あるクリスマスソングの中から2曲を選んでメドレーにしました。

「君が大好きさ」
ひきこもっていた時期に神さまが語りかけてくださっていたことを歌詞にしました。

「日の昇ところから」
詩編113編3節「日の昇るところから日の沈むところまで 主の御名が賛美されるように。」による歌。

「花は咲く」(NHK 東日本大震災復興支援ソング)
「音楽が何の役に立つんだろう」と考えながら被災地を回っていた時、皆が喜んでくれる姿を見て、音楽の不思議な力を実感しました。この曲は熊本で歌った時に喜んでもらった曲です。

「きよしこの夜」
すばらしいクリスマスとなるよう、アドベントのこの期間、主イエスのご降誕を待ち望みます。
「喜びたたえよ(I've Got The Joy)」
ベートーヴェンの「歓喜の歌」をロック風にアレンジした曲。神さまに出会い、神の子どもとされた時にあふれてきた喜びを歌います。

「愛されている」
星野富弘さんの詩に曲をつけたもの。眠れない夜でも神さまは一緒にいてくださいます。

喜びにあふれ、透明な声で生き生きと賛美するMigiwaさんの姿を通し、クリスマスの喜び、主イエスがいつも共にいて私たちを愛してくださっている幸いに感謝するひとときとなりました。

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