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生徒礼拝「バレーボール大会開会礼拝」

教育/キリスト教教育/礼拝の紹介

バレーボール大会開会礼拝

3年 生徒会長

「見よ、兄弟が共に座っている。なんという恵み、なんという喜び。」詩篇133:1

皆さんは「42」という数字を聞いて、何か思い当たりますか?僕はこの数字の意味を昨年見た一本の映画を通して知りました。四十二と読むよりも、forty-twoと読んだ方が良いのかもしれません。実は42はアメリカのプロ野球リーグ、メジャーリーグの全球団統一の永久欠番です。つまり、かつて42をつけプレーしていた男の功績を讃えて、永久欠番となっているのです。其の男の名前はJackie Robinson、1940年代から50年代にかけて活躍した選手です。彼は走・攻・守の全てにおいて活躍する優秀な選手で、様々な賞を受賞しました。

しかし、彼は他の選手や監督、審判とは異なる点が一つありました。それは、黒人であると言う事です。皆さんも知っている通り、かつてアメリカでは黒人への差別が当たり前に行われ、認められていました。それは野球においても同じでした。当時のメジャーリーグには黒人の選手や監督、審判は誰一人としておらず、野球は白人のためのスポーツだという考えがありました。しかし、野球において人種は関係なく、誰もが野球をして良いはずだ、解くに能力のある黒人をメジャーリーガにしようと考える一人の白人の球団関係者によって、ロビンソンはメジャーリーガーとなったのです。

晴れてメジャーリーガーとなったロビンソンですがその後は苦難に満ちた生活を送ります。黒人であるということだけで、相手チームの選手からも、同じチームの選手からも嫌われ、白人の観客からは罵声を浴びせられ、審判には不公平な判定をされ、球場から出ていけと言われる事もありました。彼は何度も挫折しそうになりましたが、一つの目標を達成するために諦めませんでした。

その目標とは「黒人への差別をなくし、皆が平等に暮らせる世界に変える」というものです。彼が一生懸命にプレーをする姿によって、多くの人が変えられ、次第に彼への罵声は声援へとなっていったのです。そして、彼のこの様な功績を讃えて、彼の背番号である42は永久欠番となりました。「黒人初のメジャーリーガー」であるロビンソンが居たからこそ、現在のメジャーリーグでは様々な人種の選手が平等な立場でプレーできているのです。

さて、いよいよバレーボール大会当日を迎えました。今日の皆さんの目標は何でしょうか。多くの人が勝ちに行き、優勝する事を目標としているでしょう。もちろん勝利や優勝を目指して正々堂々と戦ってほしいのですが、それと同時に勝ち取ってほしいものがあります。それが何かを説明するのは難しいのですが、強いて言えば友情や絆です。今日皆さんは多くの人と接するでしょう。その中でチームやHR、学年を超えて、多くの人との仲を深めていけたら良いと思います。そして、その出会う一人一人が、ここにいる一人一人が皆さんにとって「兄弟」のような存在になってほしいと願っています。むしろ僕は神様が皆さん一人一人を兄弟として、ここに集めて下さったのだとも思います。

このバレーボール大会を経て、またこうして皆でPS講堂に集まる時、今日の聖書にもある通り「兄弟が共に座っている。なんという恵、なんという喜び」と思う事ができたら幸いですし、そう思えるようなバレーボール大会にしていきましょう。

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