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卒業生からのメッセージ

DNX Ventures勤務【2021年取材】

野村 佳美さん

プロフィール
高等部を2001年に卒業、青山学院大学文学部(現:教育人間科学部)教育学科へ進学。卒業後、商社に入社、新規事業、営業、経理などに従事した後、2014年よりMBA取得のために米国へ留学。2016年から米シリコンバレーにある現在の会社に勤務する。

※インタビュー内容および写真・プロフィールは2021年取材当時のものです。

私の基礎をつくった初めての体育祭実現

高等部は、生徒が主体となって学校行事や日々の学校生活、クラブ活動を運営することの多い学校です。生徒会長と副会長は志を同じくする者同士が二人一組で立候補し、各委員会の長やホームルーム運営委員、部活の長が先生と相談をしながら常に協議を行い、運営するために必要なルール等を自分たちで考えて、学校行事やクラブ活動を運営しています。

私は2年次に生徒会長に立候補しました。そのときに私が掲げた公約は当時高等部になかった「体育祭の実現」です。生徒会長に当選してから、この公約を果たすために動き始めたのですが、ここで「前例のないことを作る」ということの難しさに直面しました。前例がない行事を行うためには、スケジュールや安全の確保がまず必要となり、思いだけでは学校を説得できずに歯痒い思いをしたのをよく覚えています。生徒会顧問の先生にアドバイスをもらいながら学校側と折衝を重ね、開催するために必要な案やルールを考え、また生徒からの署名を集めることで、最終的に学校を説得することができました。そこから、競技種目の選定やルール決め、安全対策、道具や装飾の確保など、計画を何度も練り直し、3年生のときに生徒が有志で行う体育祭を実現しました。

現在私は、ベンチャーキャピタルファームでスタートアップ企業と大企業をつなげて新しいビジネス創出を支援する仕事をしています。この仕事をする上で一番大切なことは、それぞれの企業が抱える課題を見極め、その課題を解決しうるパートナー企業を見つけ、双方にとって価値のあるビジネスのあり方を提案していく、ということです。相手をしっかり理解し前例にとらわれずに必要なことを提案し解決するという今の仕事は、高等部時代に体育祭の実現で学んだことが基礎となっているように思います。

青山学院高等部には、生徒がやりたいことに挑戦できる自由な環境と、それをサポートしてくれる先生方がいます。それは、自由を手に入れる代わりに、果たすべき責任があるということを学べる環境でもあります。こうした自由と責任を生活の中で学ぶことで、現在のような不確実な時代でも自分の歩むべき道をしっかりと見出し、歩を進められる力がつくのではないかと思います。

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