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16Jun
2020学校の取り組み

5月までのオンライン教育期間を終えて

6月に入り、学校は分散登校という形で再開しました。これからしばらくの間は、対面授業と家庭学習をしっかりと組み合わせていくことによって学びを継続させていきます。その時に、この4月、5月のオンライン教育期間の学びが活かされてくることでしょう。
ここでは、学校再開前にオンラインで持たれた第3回オリエンテーション(6月3日実施)より、特に本校のICT教育の基本的な考え方を生徒に伝えた部分をご紹介します。

これからのICT活用 ~さらなる深い学びを目指して~   
             佐藤健悟(ICT教育推進委員会責任者、数学科)

6月8日以降、授業が始まります。当面は学校での授業と家庭学習の組み合わせにより、1学期の学びを継続していくスタイルをとります。
これまでのオンライン教育期間と異なり、みなさんの自宅学習に関する時間割はありません。先ほど示されました、午前・午後登校グループ別の自宅学習時間目安をもとにして、自分でスケジュールをきちんと立てていきましょう。
(中略)
これまではGmailなどインターネットを介したやりとりしかできませんでしたが、これからは対面のコミュニケーションとどのように組み合わせていくのかというのをしっかり考えていくことが大切になります。そこで今日はガイドライン細則のGmailの項目をもう一度確認してみましょう。
まずは、受信者に対する配慮です。例えば送信時間ですが、普段の学校の1限は8:15で終鈴は18:00であることを1つの目安に考えてください。教員も生徒と同じ一人の人間です。お互いに負担にならないよう十分に配慮し合いながら、やりとりをしていきましょう。質問など授業に関する教員への連絡については、担当の先生の指示に従って行うようにしてください。
そして、メール連絡は相手が即座に読んで返信することを前提としたものではないという特性もよく理解してください。対面で話すべきこと、電話連絡がふさわしいこと、Gmailで連絡できることの区別をしていきましょう。

最後になりますが、この2ヶ月間のオンラインでの学びはいかがだったでしょうか。 
オンライン教育は、私たち教員にとっても挑戦の連続でした。それでも、本校がここまで学びを継続させることができましたのは、学習環境を整えてくださったご家庭のご協力と、みなさん一人一人の地道な努力と誠実な取り組みがあったからこそだと思っています。
このような厳しい社会状況においても、インターネットを介して学びを続け、コミュニケーションをとることを可能にしているICTのツールを、みなさんはどのように捉えたでしょうか?
私たちは、直接的コミュニケーションによる対面での学びとICTを利用したオンラインでの学びを二者択一的なものとして捉えていません。その双方の特性を理解し、それぞれの強みを生かして適切に組み合せることによって、みなさんの学びを深めていくことを目指しています。これこそが私たちの学校のICT教育の基本理念「3つのミッション」に込められた思いです。これからもそれに真摯に向き合いながら共に学んでいきたいと思います。
それでは、みなさんにお会いできることを楽しみにしております。ありがとうございました。

※高等部ではICT教育の基盤として2019年よりGoogle社のG Suite for Educationを導入しています。

生徒の振り返り
「4月からここまでのオンライン教育を通して、自分が学んだことは何ですか。」

想像している以上に対面で無意識にやり取りしている情報が多いという事。音声であれば正しく受け取れる情報を文面では間違えて捉えてしまったり、全く知らない人と画面越しに会話することが思っていたよりも難しいと感じたりしたから。一方で自分のペースで進められることができたり、授業中に理解できなかった部分を後から遡ることができたりすることによって、以前よりも主体的に学習するようになったというメリットもあった。対面の良さとオンラインの良さを知って、両者を適切に使い分けることが以前と比べたらできるようになったと思う。(2年生)

オンラインでの相手との接し方や学習の取り組み方を、経験・改善することができた。グループワークで他の人を気遣うことであったり、オンラインだからこそできる勉強法(資料作成など)を見出したりなど、多くの新しい経験や学びを得ることができた。一方で、今までの対面授業の大切さ、コミュニケーションができることのありがたみを感じることもでき、今後に活かせることが多く得られたと思う。(3年生)

ここまでのオンライン教育を通して、まずは自分でやってみる、ということの大切さを学びました。初めの頃は課題の提出の仕方なども分からず、自分でああでもない、こうでもないと苦戦していましたが、それを繰り返すうちに、だんだんとどんな課題や指示が出されてもすぐに自分で対応できるようになりました。また、学習内容に関しても、学校に居たらあとで質問すればいいかな、と分からないところをそのままにしてしまうことがありましたが、それが気軽に出来ない環境にいることで、逆にまずは自分で出来るようにしないといけないという心が芽生えて、配信動画やプリントを隅まで見て、問題を解いたりするなど、自分なりに学習を行うことが出来ました。もちろん分からないところはメールで先生に質問することもありましたが、まず自分でやることで、不必要に周りに頼るのではなく、自分の力で頑張ることが自分のためにもなる、ということを学ぶことが出来ました。(2年生)

初めは機械を使いこなせるか、講義型ではない授業で理解できるのかなど不安が大きかったです。しかし、自分のペースで勉強できたり動画を何度も再生出来たり、オンラインならではのメリットもあることに気づくことが出来ました。このような状況にならなければこんなにパソコンを操作することはなかったと思います。将来にも絶対に必要なスキルに少しでも触れることが出来ていい機会でした。自宅で一人でやる分、いくらでもさぼれるのもオンライン授業。自分から学ぶという姿勢の大切さも感じた期間でした。私は頑張りたいと思っていた英語の授業のZOOMやMEETに積極的に参加し、先生や友達を身近に感じることが出来ました。ただ、たくさんのメリットを発見できても実際に学校に通いたい、友達とはなしたい。機械がいかに便利でもやっぱり人とのかかわりが大切だということも感じました。(1年生)

正しい伝達情報の受け取りや、与えられた情報に対して迅速に対応することの大切さを学びました。同時に、人と面と向かって話して学ぶことの尊さも改めて感じました。登校授業も、自宅学習も、それぞれ大事なことを心に留めて勉強していきたいです。(1年生)

1人で取り組んでいたので、誰かと協力することの大切さを感じた一方、状況を把握し、自分で判断する力が以前よりついた気がしました。オンラインでも学習ができないことはないけれど、対面型の授業の良さに改めて気づきました。(3年生)

このような状況になった時のICTの大切さを感じました。オンライン教育だからこそ自分で課題に取り組む時間をきめられるなどもメリットもある。逆に対面で話せないことの寂しさや情報の伝わりづらさなどのデメリットもある。良い面も悪い面もあったが、家にいても学習が続けられたことはとても幸運なことだと感じた。(3年生)

「いつでもどこでも学習できる」ということはオンライン教育の最大の利点でありながら落とし穴でもあるということに気が付きました。ずっと自宅で過ごしていると、これまで身支度や移動に費やしていた時間が空き時間に変わります。昨今のような状況の中では、この時間をどう上手く使うかが成長できるかどうかの分かれ目だと感じました。時間の使い方次第で成長するか退化するかが決まるということを学びました。(2年生)

だんだんパソコンを使うことに慣れてきて、これから大学ではパソコンなどが主になってくると思うのでとても良い機会だったと思う。学校に行っていなくても、期限や課題がそれなりに出ていたことで、自分が学習をする環境があり、毎日の生活習慣も整ったままだった気がする。また、先生とメールでやりとりをしたり、質問をしたりそれに答えてくださったり、会えない中でも生徒と先生の距離が近い状態にあったのはありがたいことだった。対面授業の方が、実際に顔を見ることができ、質問しやすくて、私にとってはやりやすいが、オンラインでも充実した授業は成り立つことがわかった。(3年生)

授業や課題などの人から与えられる学びはもちろん、自分でみつける学びも大切だと実感した。また、相手の顔が見えない分より丁寧にコミュニケーションをとっていく必要があると感じ相手を尊重することの大切さも学べた。(2年生)

今まで自分が恵まれた環境で授業を受け勉強し、友達がいて楽しい日々が当たり前ではなくどれだけ幸せなことだったかを実感しました。またオンライン授業になったことで大変だったのは私ではなく、こんな状況でもより良い授業をと考えてくださる先生方や、それに対して十分な環境を作ってくれた家族であって、自分はただ言われたことをしているだけで周りが支えてくれているということも改めて感じました。(2年生)

各教科の内容はもちろん、ICTの特性についても学ぶことが出来ました。最初は使い方がよく分からず戸惑うことも多かったですが、使っていくうちに慣れ、時間帯などに配慮できたと思います。度々問題が起きることはありますが、自ら解決しようとする意識も持てるようになりました。(1年生)

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