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2014年度入学式 部長告辞

2014年4月7日入学式 部長告辞 西川良三

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。保護者の皆様、お子様のご入学心よりお祝い申し上げます。

本日より青山学院高等部の生徒となられた皆さんは、高校生としての出発点に今立っています。これから若き日のかけがえのない時代がはじまりますが、その毎日を、皆さんは、どのような思いを持って過ごして行こうとされているでしょうか。様々な希望や期待、あるいは不安などもお持ちのことでしょう。これから行く教室での担任の先生や新しい仲間との出会いがどのようなものになるか、高等学校での授業がどのような内容でどれだけ勉強しなくてはならないか、様々にあるクラブ活動のどれを選ぶか、あるいはそこで上級生とうまくやっていけるか、などなど、思いを巡らされていることでしょう。

しばらくは緊張が続くかもしれませんが、どうぞ安心してください。すぐに慣れて、きっと、充実した高校生活を楽しんでいるご自分がいることに気づくでしょう。

この高等部時代は是非、勉強はもちろんのこと、クラブやクラスや学年、学校行事等様々な活動に一生懸命取り組んで下さい。自分を鍛え、あるいは自分の得意とする技術や知識を深め、仲間とお互いを高めあいつつ、楽しい事、時には辛いことも共にし、感動を分かち合う事の出来るような日々を過ごしてもらいたいと思います。この高等部には幼稚園から、初等部から、中等部から、そして高等部から入学された方があつまり、中には国内の学校に加えて海外の学校に通われた人もいて、様々な背景を持った方々がおられます。お互い、特に違った人同士から学び合うよう努めてください。またこの高校生の時には、自分の進路をよりはっきりと定めなくてはいけない時代です。自分にとってどのような道に進むのが一番望ましいかよく考え、またいろいろな人の意見も聞いて下さい。しかしどのような道を進むことを選んだにしても、その日一日一日を大事に過ごしていってください。高等部での生活でよき出会いがあり、良き思い出の作れる場であることを願います。

今年は青山学院が創立140周年を迎える年です。その記念すべき年に皆さんは入学されたわけですが、この時、是非心にとどめておいていただきたいことがあります。それは青山学院が創立以来欠かせないものとして守ってきているものが、礼拝であるということです。毎日の礼拝は皆さんの人間形成にとって中心となるものであると捉えています。

ここPS講堂が主に毎日の礼拝が行われる場ですが、毎回讃美歌を歌い、聖書を読み、先生方からお話を聞き、祈ります。中等部から入学された皆さんは少なくとも3年間はそれを経験していますから、どうぞ高等部から入学された方が戸惑っているようでしたら親切に教えてあげてください。

皆さんは毎回の礼拝にご自分の聖書と讃美歌を持ってきて使いますが、そのうちの聖書は世界中のベストセラーとなっている本です。その聖書の言葉に基づいて先生方からお話しを聞きます。この時間は皆さんが人生について、社会について、大自然について、宇宙について、そしてそれらを創られた神様について思いを向け、心を静めて自分自身を振り返ることのできるときでもあります。

その聖書の中の、旧約聖書、箴言というところの1章7節に次のような言葉があります。

「主を畏れることは知恵の初め」。

主というのは神様のことです。畏れる、という事は、恐がるということではなくて、近づきがたいものとしてかしこまり敬う、と言う事です。

皆さんは万有引力の法則を発見したアイザック・ニュートンのことは御存じだと思いますが、ニュートンは大変信仰深い人でもあったと言われています。ニュートンが学んだケンブリッジ大学は、31の小規模のカレッジが集まって総合大学となっているものですが、それぞれのカレッジにはチャペルがあり、今も毎日祈りの会と日曜日には教会の礼拝が行われています。ニュートンは17世紀にトリニティーカレッジというところの学生でしたが、近代にそのカレッジだけでこれまで32人ものノーベル賞受賞者を出しています。そのような大学で過ごしたニュートンが残した有名な言葉に次のようなものがあります。

「私は、世間の人にどう見られているか知らないが、自分は真理の大海原が未発見のまま目の前に広がっていながら、海岸で時々普通より滑らかな小石やきれいな貝殻を見つけるのを遊びながら楽しんでいる子どものような者にすぎないと思っている。」

偉大な学者であるにもかかわらず、大変謙虚さが感じられる言葉ですが、それも、ニュートンの神様への信仰に基づいていると言えるでしょう。

私達のもっている知識はほんの限りあるものです。一方、毎日の礼拝では、この世の創り主であり、絶対者である神様に思いを巡らしますが、その中で謙虚な思いを持ちつつ皆さんが人間について、またこの世界について知識と理解を深め、また今の人間の社会の様々な問題についてどう関わっていくことができるかを考えるようになることを願います。そして、皆さんが一層奥深い真理を求め、長い先も成長を続けて行くことが出来ることと期待します。

皆さんが高等部で、心と、頭脳と、また体という面でも、すべてにおいてさらに大きく育つことを祈ります。本日は御入学おめでとうございます。

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