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高等部第69回卒業証書授与式 部長告辞

ヨシュア記3章14~16節

ヨルダン川を渡るため、民が天幕を後にしたとき、契約の箱を担いだ祭司たちは、民の先頭に立ち、ヨルダン川に達した。春の刈り入れの時期で、ヨルダン川の水は堤を越えんばかりに満ちていたが、箱を担ぐ祭司たちの足が水際に浸ると、川上から流れてくる水は、はるか遠くのツァレタンの隣町アダムで壁のように立った。そのため、アラバの海すなわち塩の海に流れ込む水は全く断たれ、民はエリコに向かって渡ることができた。

柔らかな春の日差しが、桜のつぼみを暖かく包んで刺激しているかのように感じられる今日この日、ご家族の皆様を中継で結び、ここに青山学院高等部第69回卒業証書授与式を挙行できますことを、心より感謝申し上げます。

69期卒業生の皆さん、皆さんの成長を喜ぶとともに、この輝かしい門出を祝福いたします。おめでとう。

さて、皆さんは、2018年4月に、この青山学院高等部に入学してきました。あれからもう3年が経ちました。改めて振り返ると、皆さんの高等部での3年間はどのようなものでしたでしょうか。少なからず、喜びや楽しい思い出があったことと思います。またその一方で、辛いこと、悲しいこと、悩みも不安もあったはずです。そしてこの一年は大きな試練を経験することになりました。当たり前のことが当たり前でなくなり、思い通りにならないことをたくさん経験しました。しかし今私たちはそこを乗り越えてここに集っています。皆さんのこの3年間の一つ一つの経験が、成長の糧、人格形成の糧となっていると私は信じます。高等部での学びや経験を胸に、新しい歩みを進めてほしいと思います。どうぞより良い社会を作る人になってください。また自分の周りに、そして世界に平和を作る人になってください。そしてまた皆さん自身が幸せな人生を歩んでほしいと願っています。皆さんの人生はこれからです。皆さんの活躍を楽しみにしています。

しかし、皆さんが歩んでいくこれからの時代は、新型コロナウイルスだけでなく、様々な点で先行きが見えない不透明な時代とも言われています。思い通りにならない、想定通りに行かない、正解がわからない、あるいは正解が一つではない場合もあるかもしれない。そのような中、皆さんは、考え、選択し、判断し、そして行動していくことになります。そんな不透明な時代に歩み出す皆さんに伝えたいことは、神様に信頼して一歩前に出る。神様に聞いて一歩前に、と言うことです。

今回選ばせていただき、先ほど院長先生にお読みいただいた聖書の箇所は、私の大好きなヨシュア記です。少し状況を確認します。エジプトから脱出したイスラエルの民が40年の旅路の末、いよいよ約束の地カナンに入る場面です。ここまでリードしてきたモーセが死に、新しいリーダーとしてヨシュアが選ばれ、約束の地にイスラエルの民を導きいれる役割になったわけです。しかし目の前にヨルダン川が立ちはだかります。しかも春の借り入れの時期で、川の水は溢れんばかりに満ちていた、と言います。とても泳いでも渡れる状況ではありません。大きな困難が待ち受けていたわけです。

その時、ヨシュアは神様が何かをしてくださると信頼していました。そして神の声を聞きます。その声は、その川に足を踏み入れるよう、命じます。ヨシュアはその声に聞き従い、川の中を進むことにします。そして今回の聖書の場面です。祭司たちの足がヨルダン川の水に浸ると、川がせき止められて、道が開かれ、民はそこを渡ることができた、と言うのです。想像を絶する光景ではあります。しかし翌々考えてみると、どうぜ川を堰き止めてくださるなら、先に堰き止めてくださって、渡らせてくださればよかったような気もします。しかし、神は先に足を踏み入れることを命じます。なぜ神は、先に道をつくってから、行かせなかったのか。神様は、私たちが神に信頼して、自分で一歩前に出ることを望んでおられるからだと、だと私は思います。そしてその後は、共に、道を開いてくださる方だと信じます。

とはいえ、神様の声は、なかなか直接は聞こえてはきません。皆さんがこの3年間、礼拝などを通じ聞いてきた神様の求めていることは何でしたでしょうか。神様が喜ばれることは何か。自分が何かをする時、決断を迷うような時に、神様に聞いてください。それは何のためにするのか、正しいことなのか、神様の喜ぶことなのか。つまり、人のためなのか、社会のためになるのか、自分がされて嬉しいことなのか、そこに愛はあるのか。これらの答えがYESなら、迷うことはありません。一歩前にでてください。

みなさんは、これからはもう大人として歩み出すわけです。人によっては親元を離れて生活する人もいるでしょう。困難にぶつかったとき、何かを乗り越えなくてはならない時、神様に聞きながら、神様が良しとすることであるなら、信頼して一歩前進してください。川は堰き止められ、道は開けます。

こんな話があります。二人の農夫がいました。そして日照りが続いた時に、二人とも雨を乞うて神に祈った。一人はただひたすら祈った。もう一人は、ただ祈るだけではなく、畑を耕した。神様が雨を降らしてくださると信じていたからです。畑を耕すものでありたいと思います。

私たちを造り、愛し、私たちと共にいてくださっている神様は、これからの人生も皆さんと共にいてくださる、と言うことを忘れないでください。その神様に聞き、信頼し、一歩前に出てください。

最後に、アイリッシュ・ブレッシングという祈りを捧げます。
May the road ever rise to meet you.
May the wind be at your back.
May the sun shine warmly on your face.
May the rain fall softly on your fields.
And until we meet again,
May God hold you firmly in the palm of his hand and give you Peace.
あなたの前に歩むべき道が常に開かれるように。
風があなたの背中をやさしく押すように。
太陽があなたの顔を暖かく照らすように。
雨があなたの田畑をしとしとと潤すように。
そしてまた会う日まで、
願わくは、慈しみの神が、あなたをしっかりとその御手のうちに置き給い
あなたに平安を賜るように。
God bless you all.
皆さんのこれからの人生の上に、神様の祝福が豊かにあるようお祈りし、告示といたします。
本日はご卒業、おめでとうございます。

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